複数の収入経路を作ろう!

はじめに

「お金を増やしたい」 そう考えたとき、私たちは真っ先に「もっと働いて稼がなきゃ」と考えがちです。しかし、本書はお金の増やし方には明確な「3つのフェーズ」があると説きます。

それは、『稼ぎ方』『儲け方』そして『使い方』です。

当たり前のことのように聞こえますが、この違いを明確に説明できる人は意外と少ないものです。

今回は、お金のプロである私の視点から、本書が提唱する「資産形成の本質」を紐解いていきます。

1. 「稼ぐ」と「儲ける」は全く別物である

まず、この2つの言葉の定義から始めましょう。

  • 「稼ぐ」とは: 働くこと(労働)対価としてお金を得ること。会社員としての給与や、個人事業主としての報酬がこれにあたります。
  • 「儲ける」とは: 投資やビジネスの仕組みを持つこと。労働から切り離された場所から収入を得ることです。

多くの人は「稼ぐ(労働収入)」ことだけに注力しがちです。しかし、会社員として働くことは「会社というシステムの上でお金を貰う」ことであり、自分の能力ではなく「会社にとって何が良いか」が評価軸になります。

一方で、資産を築く人は「稼ぐ」だけでなく「儲ける(投資)」のフェーズへ進もうとします。

2. 「マルチインカム」という生存戦略

著者が推奨するのは、複数の収入源を持つ「マルチインカム」という考え方です。

「投資で儲けるなんて、大金持ちの話でしょ?」と思うかもしれません。しかし、重要なのは金額の多寡ではなく、「収入の手段(ポケット)を増やすこと」です。

たとえ数百円の配当金や金利であっても、それは「あなたの労働以外の力」が生み出したお金です。

「労働で稼ぎ、そのお金で投資の種をまき、儲ける仕組みを作る」 最初は小さくても、このサイクルを作り出すことこそが、経済的な自由に近づく唯一のルートなのです。

逆に、元手がない状態で「お金を借りて儲けよう(レバレッジ)」とするのは危険です。

お金を貸す側は、自分たちが「儲かる」から貸すのです。借りる側ではなく、貸す側(投資する側)に回ることが、資本主義の鉄則です。

3. 節約の本質は「我慢」ではなく「妥協」

そして最後に、資産形成の土台となる「使い方(節約)」について。

本書のこのパートは、FPである私にとっても目からウロコの視点でした。

「節約=辛い我慢」だと思っていませんか? 著者は、節約とは「予算の中で妥協の幅を大きくすること」だと定義しています。

例えば、ランチの予算を決めていたとします。「今日は特上(2,000円)を食べようかな」と思ったけれど、「いや、上(1,500円)でも十分満足できるな」と考えてランクを下げる。

これは「我慢」して質素にしたのではなく、「上でも満足できる」という妥協点を見つけて、差額を浮かせた(利益を出した)という考え方です。

無理に欲求を抑え込むのではなく、自分の満足度をコントロールし、妥協できるポイントを探す。

これならストレスなく続けられそうではありませんか?


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