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『長期的バリュー投資の基本と原則 ――「低PER、低PBR、高配当」銘柄は裏切らない』ジム・カレン(Jim Cullen) (著)

2023 6/15
読書日記 投資と資産形成の本
2023年6月8日2023年6月15日

失敗しない株式投資の基本と原則

この本に書かれていることは、株式投資の基本と原則です。

この本に書かれていることがすべてではないとは思ってはいますが、多くの株式投資家が、この本に書かれていることを忠実に実行すれば、おそらく株式投資で大きな失敗をすることはほとんどなくなるだろうと想像できます。

そして失敗しないということは、そこそこのパフォーマンスを手に入れることにもなるのでしょう。

個別銘柄への株式投資を行って、平均的な成績という人は、おそらく少ないのではないかと思っています。

平均的というのは、一般的なインデックスファンドと同等の成績を意味します。

個別銘柄への投資を行っている人の話を聞いていると、インデックスファンドよりも優秀な人と、インデックスファンドよりも成績の悪い人の2つのパターンに分かれているケースが多いと感じています。

つまりは、「この本に書かれていることを実践すればそこそこのパフォーマンスになるだろう」という言葉の意味は、言い換えれば、「おそらく最終的なパフォーマンスはインデックスファンドを超えてくるんじゃないのかな」という意味で考えているということです。

この本の投資戦略の基礎は、タイトル通り『バリュー投資』です。

具体的には『PER』。これが絶対の原則としてあり、それを補完する意味で、PBRや配当利回りも検討して投資する銘柄を考えるというルールになっています。

経験上でも、このルールに従っていたら、株式投資で大けがすることは、あまりないだろうなと感じています。

内容はシンプルでわかりやすい。

本書の内容は、とても分かりやすい。言いたいこともとてもシンプル。

ゆえに、株式投資初心者にとっては、『バイブル』となる可能性のある本だと感じました。

しかし、初心者向けであるわりには、値段が高いと感じる。

また、投資玄人にとっては、内容がシンプルで素直すぎるために、値段の割に物足りなさを感じなくもない。

それでも、この本を買った人が、もし株式投資初心者だったならば、この本の内容を素直に実践しながら株式投資を始めることは、個人的には大賛成です。

また、いろんな無駄な知識をつけてしまった、投資玄人であったのなら、この本でもう一度基本に立ち返るというのも悪くない気がする。

本音を言えば、もう少し本の値段を安くして、誰もが手に取りやすくなっていればよかったのにと思う所です。

本書の内容を実践するにあたっての最大の懸念事項?

本書の中でも説明されていますが、バリュー投資という投資戦略は、その有効性が学術的にも経験則的にも認められているわけですが、なぜか実践している人は、あまり多くない。

その理由については、はっきりしたことはわからないけれど。

投資する際にやること(考えること)も、パフォーマンスも「地味」ということがあるのではないでしょうか?

本書の中でも、その辺をいろいろと指摘していますが、やはりその時代のスーパースター的な株式銘柄の魅力に比べると、バリューの銘柄は、パッとしない。

それに、今までの株式市場の歴史の中でもバリュー銘柄が脚光を浴びた時代というのもほぼない。

そしてさらに、バリュー投資の効果が明確になってくるまでには、「長い時間がかかる」。

本書の中では、5年という時間がバリュー投資の効果を考えるための必要な時間だと説明しています。

5年もの間、効果があるかどうかわからないことを、ただただ信じて実行するというのは、これはなかなか簡単なことではありません。

言ってみれば、この本は、5年もの時間をかけて一つのことを信じて実行することができる「素直な人向け」の本なのかもしれない。

でも、個人的な経験から言えば、この本の内容には、5年間を費やすだけの価値は十分にあるだろうとも思っています。

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  • 『マンガーの投資術 バークシャー・ハザウェイ副会長チャーリー・マンガーの珠玉の言葉ーー富の追求、ビジネス、処世について』 デビッド・クラーク(著)

この記事を書いた人

田仲 幹生のアバター 田仲 幹生

生命保険会社、税理士事務所での勤務を経てファイナンシャルアドバイザーとして独立。数多くの相談者に向き合ってきた経験と、自身が実践する資産運用のノウハウを活かした個別相談やマネー講座が好評です。

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