
インデックスファンドが最適解?
『年1時間で億になる投資の正解』 二コラ・ベルべ(著)
「年1時間で億になる」— インデックス投資の真実と時間の効率性
「年1時間で億になる」。このキャッチーなフレーズは、私たちを少し立ち止まらせるかもしれません。
しかし、本書『年1時間で億になる投資の正解』(二コラ・ベルべ 著)の核となる「資産形成にかける時間は年1時間で十分」という原則は、多くの投資経験者がたどり着く真実です。
なぜ、それ以上時間をかけても成果は変わらないのか?
本書は、指数連動型投資信託(インデックスファンド)という、多くの投資家が「屈辱的な失敗」を重ねた末にたどり着く資産運用の極地であることを、初心者にもわかりやすく解説しています。
この記事では、著名投資家ウォーレン・バフェットが絶賛するインデックス投資の真実と、暴落相場でもあなたの資産を守り抜く「メンタル対策」について、本書から深く学びます。
1. 資産運用の「極地」へ:なぜ投資家はインデックスに辿り着くのか?
株式投資の世界では、多くの投資家が、短期売買や個別銘柄の分析といった様々なアプローチを試みます。しかし、その過程で直面するのが、著者も語る「屈辱的な失敗」です。
長年の経験と膨大な時間を費やした結果、彼らが最終的に行き着く場所、それこそがインデックスファンドであることが非常に多いのです。
世界的な著名投資家ウォーレン・バフェットは、インデックスファンドの父であるジャック・ボーグルを評して、「アメリカの投資家に最も多大な貢献をした人物の銅像を建てるとしたら、間違いなくジャック・ボーグルだ」とまで述べています。
これは、インデックスファンドが、特定の天才的な投資家しか成功できない世界で、一般の投資家が最も高い確率で資産を増やせる方法だと言っているに等しいと言えるでしょう。
2. 投資に「年1時間」で十分なワケ:コストと効率性の追求
本書がインデックスファンド、特にETF(上場投資信託)を推奨する理由は、その極めて低い運用コストにあります。
金融資産への投資にかかるコスト(信託報酬など)は、長期間にわたり資産から差し引かれるため、その差は複利の効果で膨大になり、最終的なリターンに直接的に悪影響を与えます。
コストの低いETFを利用することは、リターンにプラスの影響を与える、最も確実な投資戦略です。
インデックスファンドは一度設定してしまえば、市場全体の値動きに連動するため、日々のニュースをチェックしたり、個別企業の分析に時間を費やしたりする必要がありません。
つまり、低コストで分散が効いた運用を、年1時間のチェックだけで行うことができるのです。
3. 「株式一択」ではダメな理由:暴落に耐えるメンタル戦略
本書が推奨するのは、株式一択ではなく、株式ETFと債券ETFを一定の割合で保有するポートフォリオでの運用です。
「長期で見れば株式市場は必ず回復するのだから、債券はいらない」という意見を耳にすることもあります。
確かに過去のデータを見れば、ITバブル、リーマンショック、コロナショックなど、すべての暴落局面から市場は回復し、最高値を更新しています。
しかし、著者は、この「理屈だけの頭でっかちな発想」に真っ向から異を唱えます。
- 行動経済学の事実: 私たち人間は、価格が下落している最中に「暴落は一時的」だと理屈では理解していても、その損失の痛みに耐えられないようにできています。
- 最大の敵は自分: 暴落時に精神的に耐えられず、安値で狼狽売りしてしまうことこそが、資産運用における最大の失敗原因です。
本書が債券の保有を強く勧めるのは、市場の暴落から最終的に回復するためではありません。むしろ、暴落局面で資産全体の減少を緩和し、投資家がメンタル的に耐え抜き、投資を継続できるようにするためなのです。
4. 経験者が知る投資の肝:「理屈ではなく、どう感じるか」
「投資資産の価値が下落する可能性を受け入れることは、長期的に資産を増やすのに必要な対価だ」
本書の言葉が示すように、投資は常にボラティリティ(変動)を伴います。そして、そのボラティリティに「理屈ではなく、どう感じるか」、つまりメンタル的に耐えられるかどうかが、資産運用の成否を分けます。
市場の暴落は当たり前だと考え、その時にいかに平常心を保ち、投資を辞めないか。
これを達成するための「株と債券のバランス」こそが、長年の経験と屈辱的な失敗を経てたどり着いた、この本の最大の教えと言えるでしょう。
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本書でも言及された通り、投資の失敗は知識不足ではなく、暴落時の「感情(メンタル)」が原因でおこります。たとえ今の投資方法が理論上正しい方法であったとしても、あなたが耐えられなければ意味がありません。
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