投資で勝ちたいなら、常識を疑え!

「債券は株式よりも安全な資産だ」 「失業率が上がると株価は下がる」 「金(ゴールド)はリスクがない守りの資産だ」

もしあなたが投資をしているなら、これらは「常識」として耳にしたことがあるはずです。しかし、もしこれらが誰もが信じているだけの「神話」であり、実際のデータとは異なるとしたらどうしますか?

今回は、著名投資家ケン・フィッシャー氏の著書『市場の神話にだまされるな』をご紹介します。本書は、私たちが盲目的に信じている「投資の常識」を、膨大な過去データを用いて次々と覆していく衝撃の一冊です。

「S&P500やオルカンを買っておけば正解」という風潮に、どこか不安を感じているあなたにこそ読んでほしい内容です。

1. 「みんなが買っているから」で思考停止していませんか?

最近の投資ブームにより、「S&P500」や「オール・カントリー(オルカン)」への投資が最適解として語られることが増えました。確かにこれらは素晴らしい商品ですが、「みんなが買っているから」という理由だけで選んではいないでしょうか。

営業トークでもよく使われる「みんなやっていますよ」という言葉。私たちはこの言葉に弱く、つい安心感を覚えてしまいます。

しかし、投資の世界において「みんなと同じ」が必ずしも正解とは限りません。むしろ、平均以上のリターンを得ようとするなら、大衆とは違う視点を持つ必要があります。

昨今の「タイパ(タイムパフォーマンス)」重視の風潮もあり、私たちは「過程(考えること)」を省略し、「手っ取り早い正解」を求めがちです。しかし本書は、「自分の頭で考えること」を放棄した投資家は、市場の罠にかかりやすいと警鐘を鳴らしています。

2. 神話崩壊①:債券は株式よりも安全なのか?

本書の最初のテーマであり、最も衝撃的なのが「債券と株式のリスク」に関する検証です。一般的に、債券はローリスク・ローリターンの安全資産とされています。

しかし、歴史的なデータを紐解くと、以下の事実が浮かび上がってきます。

  • 20年以上の長期投資で見ると、株式で損をしたケースは過去にない。
  • 30年のスパンで見ると、価格変動(ボラティリティ)は債券よりも株式の方が低い。

債券は満期まで持てば元本は保証されますが、途中で売却する場合は金利変動による価格下落リスクがあります。特に投資信託を通じて債券を持つ場合、満期保有という概念はなくなり、常に価格変動リスクに晒されることになります。

「安全資産だから債券」という安易な思い込みは、長期的な資産形成において実はリスクを高める可能性があるのです。

3. 神話崩壊②:GDP成長と株価は連動する?

もう一つ興味深いのが「GDP(国内総生産)と株価の関係」です。

「経済が成長すれば株価も上がる」というのは直感的に正しそうに思えます。また、ウォーレン・バフェットが重視しているとされる「バフェット指数(GDPに対する時価総額の比率)」も有名です。

しかし、本書を読むと以下の矛盾に気づかされます。

  • GDPは「支出」ベースの統計だが、株価は企業の「生産・利益」を反映する。
  • 過去には株価が暴落してもGDPは下がらない局面や、その逆も多々あった。

経済成長と株価の相関は、私たちが思っているほど単純ではありません。「バフェットが言っているから(と言われているから)」と鵜呑みにせず、その指標が何を表しているのかを理解する必要があります。

4. 私たちは「自分に合った正解」を知らない

本書を読んで痛感したのは、「一般的によく言われている正解」が「自分にとっての正解」とは限らないということです。

少し個人的な話をさせてください。 私は以前、「ヨーグルトは腸に良い」という常識を信じ、健康のためと意識して乳酸菌飲料を飲んでいました。しかし、お腹の調子は良くならず、むしろ下し気味の日々が続いていました。 ある時、医師のアドバイスで乳製品を控えてみたところ、体調が劇的に改善したのです。世間一般にとっての「善玉菌」は、私の体質には合っていなかったのかもしれません。

投資もこれと全く同じです。 「債券は安全」「この商品が人気」という世間の常識が、あなたの資産状況やライフプラン、リスク許容度に合っているかは全く別の話なのです。

5. まとめ:「自分の頭で考える」ために

投資の世界は不確実性に満ちています。90%の人に当てはまる理論でも、あなたが残りの10%に該当するかもしれません。

『市場の神話にだまされるな』は、そんな不確実な世界で生き残るために必要な「疑う力」と「データを見る目」を養ってくれる良書です。市場のノイズに惑わされず、どっしりと構えた投資家になりたい方は、ぜひ手に取ってみてください。

【編集後記】あなただけの「投資の正解」を見つけるには?

本を読んで「常識を疑うこと」の大切さはわかりました。しかし、膨大なデータを自分で検証し、自分に最適なポートフォリオを一人で構築するのは、現実には非常に困難です。

「一般論ではなく、今の私にとってベストな選択は何なのか?」

その答えを出すためには、投資のプロフェッショナルであるファイナンシャルアドバイザーの視点を取り入れるのが近道です。

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