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『価値の探究者たち』 ロナルド・W.チャン(著)

投資と資産形成の本

「価値の探究者?」これってなんの本

この本のタイトルは、「価値の探究者たち」。一体何の本なのかタイトルからは、はっきりとしたイメージがわかなかった。表紙の絵もどういう意味合いを持っているのか不明瞭でした。

投資関連の読み物であるから、投資にかかわる話であることは間違いないわけなのですが。しかし、読んでみるとその意味がよく分かります。

この本は、『バリュー投資』に関する本でした。

投資する先の本質的価値に注目し、その価値よりも安く売られている資産を買うというバリュー投資というスタイル。

そのバリュー投資を実践している複数の著名投資家たちの物語がこの本の中にあります。

なぜバリュー投資というスタイルに行きついたのか。バリュー投資という考え方と人の生き方。思想としてのバリュー投資。バリュー投資の本質。そういったものが、バリュー投資家たちの人生を紐解くことで見えてくる。

バリュー投資という考え方を知るのに、最適な一冊だと思います。

バリュー投資といえば、ウォーレン・バフェットが有名です。

ウォーレン・バフェットは、ベンジャミン・グレアムというバリュー投資の父と言われる投資家に師事し、バリュー投資のノウハウを学び実践していくことで投資家としての道をスタートしました。

いまでは、グレアムの投資戦略から離れて独自の投資スタイルに変わってはきていますが、それでも今もグレアムの思想を受け継いでいるような感じを受けます。

そして、バフェットは世界一の投資家と言われるようになり、世界有数の資産家になっています。

そのバフェットの師であるベンジャミン・グレアム。

やはり偉大な投資家であったようで、本書の中でも幾度となくグレアムの名前が登場してきます。

株式投資のバリュー投資という世界を築き上げたベンジャミン・グレアム。投資家の世界では、この人はすでに伝説へとなってきているのかもしれませんね。

バリュー投資は永久に不滅?

バリュー投資といっても、そのスタイルや投資戦略には様々な方法や考え方があり、答えは一つじゃありません。それこそ、同じバリュー投資を目指していても、一人一人の個性のように違いがみられます。

現に、バリュー投資の父と言われるベンジャミン・グレアムの投資戦略をそのままそっくり実行している人は、今の時代ではおそらくいないと思われます。

また、グレアムといえばバフェットと言っても過言ではないぐらいつながりの強い投資家同士でも、その投資スタイルはまったくの別物といった感じです。

ただ一つ同じことは、『本質的な価値よりも安く買う』ということだけです。

この本には、たくさんの成功したバリュー投資家たちが出てきます。

それぞれが、どんな思想や考え方をもとにバリュー投資を行っているのか。またその投資スタイルや投資対象など、様々なバリュー投資の在り方を知ることできます。

それぞれが、それぞれ違う投資をしているため、自分がどれを参考に投資をしたらいいのか分からなくなるかもしれません。

でもそうではないということにも気づくことと思います。

多様なバリュー投資の在り方を学ぶことで、『自分流のスタイル』を作ることの大切さを実感すること思います。

投資は、決して人まねで終わってはいけない。最終的には自分流を見つけていかなければいけない。

投資とは個性そのものということなのでしょう。

考えてみれば、お金という存在自体、お金の使い方、稼ぎ方、もらい方、払い方、管理の仕方、すべてにその人の個性が現れてくるものです。

投資が個性であるという話も、何ら不思議ではありません。

むしろ、個性を考えない投資は、かえって悪い結果をもたらしかねないとさえ思っています。

そんなことに気づくことができるという意味でもいい本だと思いました。

それともう一つ、多様なバリュー投資家の在り方を知ると、次第にすべての投資家の中に共通する何かに気づくことができるということも、本書の魅力なのかもしれないと感じました。

「バリュー投資の本質とは何なのか」、「ほとんどすべてのバリュー投資家に共通していることとは?」、それに気づくことができれば、あとはその本質から外れないように、自分の性格や感性にあわせた投資戦略を作っていけばいいということにも気づくことができます。

そしてそれは、一生涯使っていけるもになっていくことと思います。

本書を読む限り、バリュー投資は、その本質を変えず、どんな時代に対しても柔軟に適応してきました。

そしてこの先の未来も、きっとバリュー投資は様々に変化し、また進化しながら、生き残り続いていくものなのだと思います。

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