【書評】貯金ばかりで人生を楽しめていない?『アート・オブ・スペンディングマネー』が教える本当の豊かさ

日本人の多くは、「亡くなるときに一番お金を持っている」と言われています。
老後のためにと必死に貯金をし、結局使わずに人生を終えてしまう。「だったら、生きているうちにすべて使い切るべきだ」という『DIE WITH ZERO』のような考え方も近年注目を集めています。

しかし、「頭では分かっていても、貯金がないと不安で使えない」というのが私たちの本音ではないでしょうか。
今回は、そんな「お金の使い方の正解」に迷う方にぜひ読んでいただきたい一冊、『アート・オブ・スペンディングマネー』をご紹介します。
結論|「使っていないお金」は存在しない。貯金は「自由」を買う行為である
本書が提示する画期的な結論は、「使っていないお金など存在しない」という考え方です。
私たちは「貯蓄=今を我慢してお金を使わないこと」と考えがちですが、それは違います。銀行口座にあるお金は、目に見えなくても、すでに価値あるものを買っているのです。
それは「自立」であり、「自由」であり、「自分の好きに過ごす時間」です。
貯蓄をすることは、誰の指図も受けず、自分の人生を自分でコントロールする権利を手に入れるための、立派な「お金の使い方」だと言っていました。
理由|お金の使い方の正解は「論理」ではなく「心理」にある
金融理論では「インデックスファンドが最適解」など、合理的な正解が求められがちです。しかし本書は、お金の使い方を論理で決めることは誤りであり、それは『アート(芸術)』のようなものだと説きます。
なぜなら、お金を使う究極の目的は「幸せになること」だからです。
幸せを感じるためには、他人に見栄を張るため(外発的な誇り)ではなく、自分が心から満足できること(内発的な誇り)にお金を使う必要があります。
真の豊かさとは、たくさん物を持っていることではなく、「持っているものと、欲しいものの差」で決まります。他人の価値観に合わせるのではなく、自分にとって何が本当に必要なのかを見極めることが、豊かなお金の使い方の第一歩です。
具体例|高級車を買うのは「見栄」か「自分のため」か
たとえば、無理をして高級車を買ったとします。人は「素敵なものを買えば人生が充実する」と思いがちですが、実際には「他人から良く見られたい」という無意識の見栄が働いていることが多いものです。
しかし、他人はその「車」を見ることはあっても、「運転しているあなた」を気にすることはほとんどありません。
見栄のためにお金を使い、結果として負債を抱えれば、それは「誰かに自分の未来(自由)を奪われている」のと同じだと言います。逆に、見栄を捨てて身の丈に合った生活をし、貯蓄を増やせば、「嫌な仕事を辞める選択肢」という最高の自由を手に入れることができると言います。
今すぐできる具体的なアクション
お金を貯めること(将来への備え)と、お金を使うこと(今を楽しむこと)。この両方のバランスをうまくとることが、将来の「後悔」を最小限に抑える唯一の方法です。
「何にお金を使うべきか」に絶対の正解はありませんが、自分なりの正解を見つけるために、以下のステップから始めてみましょう。
- アクション1:『アート・オブ・スペンディングマネー』を読む 「お金を使うのがもったいない」「貯金ばかりで人生を楽しめていない気がする」と感じている方は、ぜひ本書を手に取ってみてください。お金に対する感情的なモヤモヤがすっと晴れるはずです。
- アクション2:自分の「内発的な誇り」を見つめ直す 今欲しいと思っているものは、「誰かに自慢したいから」ですか?それとも「自分が心から楽しむため」ですか?お金を使う前に、一度立ち止まって感情の出どころを確認してみましょう。
表計算の数字だけでは測れない「お金と感情の関係」を解き明かしてくれる本書は、あなたのお金に対する価値観を根本から変えてくれるはずです。ぜひチェックしてみてください。
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