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『「ネコひねり問題」を超一流の科学者たちが全力で考えてみた「ネコの空中立ち直り反射」という驚くべき謎に迫る』 グレゴリー・J・グバー(著)

経済や科学、その他の本

平凡なようで、とても奥深い問題だった!

「猫ひねり問題」。

猫は、高いところから落ちても、ちゃんと足から着地ができる。たとえ、おなかを上に向けた状態で落ちたとしても、ちゃんとひっくり返って、やっぱり足から着地する。

どこででも聞くような平凡な話。「そんなこと、だれだって知ってるよ。」と言われてしまいそうな話かもしれない。

だけど、「なぜ猫は空中でひっくり返って、必ず足から着地ができるのか?」という問題は、多くの優秀な科学者が興味を持った不思議な話だったようです。

そんな、猫と科学の物語。

猫好きだけの問題ではなく、ネコ好きでない人でも知的好奇心を掻き立てられる、おもしろい話でした。

当たり前のようなことが、意外とわかっていない。

以前に、『知ってるつもり 無知の科学』という本を読んだことがあります。

知らないことなのに知っているつもりでいる。例えば、「水洗トイレの仕組みはどうなっているのでしょうか?」と聞かれて、正確に答えられる人は、おそらくかなり少ないと思われます。ですが、この問題を聞いた瞬間は、「そんなことわかっているよ」と思ってしまうことがあるものです。

私たちは、本当は何も知らないのに、知っているつもりで物事を考える癖がある。それが無知の科学という話でした。

「猫ひねり問題」も、あまりにも身近すぎるがゆえに、その本質について、本当は何もわかっていないのに、なぜかわかっているような気がしていた問題でした。

猫が宙返りをして、足から着地をする。

猫を飼ったことのある人なら、だれでも見たことがあるのではないでしょうか。

私も子供のころ、宙返りする猫の習性を面白がって、手で持って落としてみたことがあったことを思い出します。(今考えると、猫好きの人に怒られてしまうかもしれませんが。)

また、建物の2階の屋根から落っこちた猫が、地面で着地して、何事もないように走り去っていたのを目撃たこともありました。

今考えてみると、その現象を「すごい!」ぐらいにしか思っていなかったのかもしれませんが、その現象を「すごい!」ではなく、「なぜ?」に変えたら、とても興味深い話になってきた。

物理の法則からいえば、足元がない空中で宙返りをするというのはあり得ないという話から始まり、高速連続写真の登場で、実際にそのあり得ないことが起こっていることが証明され、猫がどうやって空中で宙返りしているのかを、いろんな科学者たちが考えてきた結果、物理の力学、地球の自転、アインシュタインの相対性理論、幾何学や量子力学と、とてもすごい話になってきました。

猫ってすごい!

猫と科学、そして人との間には、これほど面白い関係があったんだと。とても知的好奇心をくすぐられる内容で、とてもおもしろい本でした。

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