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『193の心理研究でわかったお金に支配されない13の真実』 クラウディア・ハモンド(著)

お金や家計に関する本

お金に支配されている?

私たちは、お金の力に大きな影響を受けています。しかも、残念なことに、私たちは自分がお金という存在からどのような影響を受けているのかをほとんど認識できていません。

そこがお金の魔力と言えるところであり、また怖いところです。

無意識的に影響を受けていて、そこから抜け出せないでいる。まさに『支配されている』というわけです。

このお金から受ける影響が無意識的なものであるというのがポイントで、普段の生活をしている中で、『お金に支配されている』なんて思う事はほとんどありません。なおかつ、その影響は絶大なものとなっています。

物である『お金』に支配されているとは、なんとも恐ろしい話です。

お金に支配されないために。

お金に支配されないために、お金の持つ魔力について知っておこうというのが、この本の内容です。

たとえば、『アンカリング』という効果はしっていますか。

人は、モノの値段を判断するときに、無意識に一定の基準を設定して判断していることがあります。これを『アンカリング』と言っています。

実は、恐ろしいことに、心理実験を行うと、このアンカリングで値段を設定する基準に、私たちは合理性を持っていないという話が紹介されていました。

例えば、『CD』と『トレーナー』はそれぞれ使う用途もその価値も全く違うものなのですが、『トレーナー』の露店の隣で、『CD』を売っていた場合に、その『トレーナー』をいくらで買うかと聞くと、隣の『CD』の値段設定に左右されていたという結果がでたそうです。

つまりアンカーをいくらに設定するかで、ものの値段に対する感覚が左右されているわけです。

もしかすると、お店でよく見かける『定価』と設定されているものは、実はアンカーになっていて、本質的には、その値段ほどの価値がなかったとしても、私たちが感じる価値の値段は、『定価』がアンカーになっていて、割引セールと言われることで、ものすごく安くなっているという感覚になってしまっているのかもしれません。

物の値段の多くが、売る人の心理操作によって作られているのかもしれない。

このように、売る側がうまく心理的に誘導することによって、買う側はそれと気づかず、お得と感じたり、高いと感じたりしていることがあるという話です。

まさに、無意識的に支配されているような気分になります。

他にも、貧困によって、知能に影響がでるという話もありました。

貧困によって知能に影響がでるのは、貧困のために良い学校へ通えないとかそういったレベルの話ではありません。

学力ではなく、知能自体に影響が出るのですから、いい学校かどうかはそもそも問題ではありません。

なぜそんなことになるのか。実は、貧困が原因というよりも、『お金という強大な悩み』によって、考える頭の領域を『その悩み』が占領してしまい、考える力が衰えているというのです。

お金をかけて高度な教育を受けたものは、いい仕事に就けて、高い収入を得ることができる、ということは、事実としてある話です。

お金持ちの子は、高収入の仕事につけてお金持ちになる。これは社会システムに問題があってそうなっているのではなく。無意識下で影響を受けている、お金の支配力によるものなのかもしれません。

もっと言うなら、お金というものが存在していること自体が、格差を生み出す原因になっているのかもしれない。

「お金の力ってすごい、しかも恐ろしい」と改めて感じる話です。

この本の中では、他にもいろんな話が紹介されていました。

どれも、面白い話でした。数字や理論などの記述はほとんどなく、物語風に書かれているので読みやすかったです。

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