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『LIFESPAN(ライフスパン) 老いなき世界』 デビッド・A. シンクレア(著)

経済や科学、その他の本

老化は病気?

「健康な状態で長く生きたい。」と誰でも一度は思うものです。

そんな童話にでてくるような夢のような願いも、科学の力で現実的になってしまうかもしれない。

「老化は、治すことが可能な病気なのかもしれない。」

とても興味深い本でした。

「年を取ること」これは当たり前のことだと思っている人がほとんどです。

というよりも、この本を書いている人、この本に出てくるような老化の研究をしている人、そしてこの本を読んだ人以外の人は、老化することは死ぬこととと同じで絶対に避けられないものだと考えているのではないでしょうか?

しかし、老化することは絶対とは言えなくなってきた。

老化は病気の一種。それも治すことのできる病気だと言うのです。

不思議だなと思う人は、一度この本を読んで、考えてみるといいのかもしれません。

老化というものが、違って見えてきます。とてもおもしろく、興味深く読むことができると思います。

そもそも老化とは何なのか?、なぜ老化するのか?

老化する原因がわかれば、その原因を取り除くことはできるのか?

そんなことが、科学の力で見えるようになってきた。

概略から言えば、老化とは、DNAの情報が徐々に失われていくことによって起こるものであり、しかも、そのDNAの失われた情報は回復する事が可能だと考えられていて、実際にその回復策も現在の科学技術で実現可能なところまできているというのです。

こんな話が面白くないわけがありません。

化学や生物といった多少の基礎知識がないと読みにくいところもあるように感じましたが、全体を通して、ワクワクしながら読めました。

老化を食い止めるために?

今の科学技術なら、老化を食い止めるどころか、若返ることだって不可能ではないそうです。しかし、現状の社会及び医療の現場でそれを行うことは、いろいろと問題があるようです。

まず「老化は病気とみなされていない」ということがあります。

老化防止は医療ではないという考えが社会や医療現場の根本にあるために、老化を治すための行為は『治療行為にならない』というわけです。

そもそも、老化を食い止めることができれば、そして若返ることができれば、今の社会にはびこる様々な病気を減らすことができるはずです。事実、ガンやアルツハイマーといった病気は、老化とともに発症する確率が上がることはよく知られています。

老化を治せば、病気もしなくなり、健康で長生きできるようになる。

今はまだ、老化を医療として対応することはできないかもしれないけれど、日常生活の中でもやれることもあるそうです。

例えば、食事を減らす、運動をする、NMNサプリを飲む、といった方法があげられていました。

食事は腹8分目、運動を日常的に行う。言われてみれば当然かもしれませんが、サプリメントでも効果が期待できるというのは期待感ありです。

しかも、その老化防止に効くとされるNMNというサプリメント、それなりの値段はしますが、私たちでもネットなどで簡単に購入できるというのも、これまた興味が湧いてくる話です。

長生きのリスク?

本書の中では、みんなが健康で長生きするようになったら、社会はどうなるのかといった考察もされていました。

人口増加の問題、消費やエネルギーの問題、労働環境などの変化。どの話も、マクロ的な内容でしたが、私達個人の生活は長生きすることでどんなことになるのだろうと考えさせられます。

今は『長生きのリスク』なんて言葉も出てきました。人生100年時代なんて言われて、長生きすることがリスクだと考えるようになってきています。

その長生きのリスクで一番の話題は、やっぱり『お金』ではないでしょうか?

よく老後は2,000万円の貯蓄が必要だと言う人がいますが、本書で言うような人生120年時代になったら、一体どれだけのお金が必要なのだろう。

確かに老後のお金のことを考えると、長生きすることにが不安に感じてきます。

もし人生120年時代が来たら、私達の老後のお金の考え方も、大きく変わることになるのはほぼ確実でしょう。

そうなった時には多分、貯金額よりも『稼ぐ力』がものを言うような時代になる気がしています。

蓄えたお金を使うのが老後の生活なのではなく、若いうちに身につけたスキルや投資などで、いつまでも収入を得られるようにすることが求めらる時代になるというイメージです。

幸いにも、本書の内容のような人生120年時代が来たら、いつまでも若々しく生きられるということで、いつまでも頭を使って投資をしたり、働き続けたりすることができることが期待できます。

そしてそうなるために今必要になるのが、『自分への投資』という考え方だと思います。これから先、より投資というものの考え方がより重要な意味を持ってくるような気がしてきます。

そして、この『人生120年時代』は、決して幻想などではなく、本当に到来する近い未来の話なのだろうと、この本を読むと考えさせられます。

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