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『「稼ぐ、儲かる、貯まる」超基本 プロ経理が教えるお金の勉強法』 前田 康二郎(著)

お金や家計に関する本

お金の貯めかた。

「お金を上手に貯めるためには、『稼ぎ方』、『儲け方』、そして『使い方』がある。」

そんなことは、改めて言われる話ではなく、当たり前の事なのかもしれません。でも、「『稼ぎ方』と『儲け方』の違いって何?」、「上手なお金の使い方って?」と考えると、その答えは簡単なものではないものです。

本書では、そんなお金の貯め方について書かれています。

まず『稼ぐ』といえば、働くことになります。働いてお金を『稼ぐ』ということです。

ただし、『稼ぐ』と一言で言っても、実際にはいろんな方法があります。

『稼ぐ』の大きな意味としては、一つは、会社員として会社で働いて『稼ぐ』こととがあります。他にも、個人で事業を起こしたり、会社を経営したりして『稼ぐ』という方法もあります。

ただ多くの会社員の人は、自分で事業を行ったり、会社を設立して経営したりして『稼ぐ』というのは、自分には無縁だと思っているのかもしれません。

しかし、「自分が受け取っているお金の性質が、どういうものなのか」と考えると会社員の給料もまた違ったものに見えてきます。

この本では、そんなお金についての視点を改めさせてくれているようにも感じました。

いろんな方法で収入を作ろう!

本書の著者は、『マルチインカム』という、いろんな性質の収入を得ることを推奨しています。そして、実際に筆者自身『マルチインカム』を実践しているようです。

筆者はその『マルチインカム』を実践する中で、どの収入には、どのような性質があり、他の収入とは、何が違うのかという事を客観的に考えることが出来ているのだと感じました。

「会社で働いて稼ぐ」というのは、自分の能力ではない、会社という存在の上にお金を貰っているという自覚。

自分や自分の仕事にとって何が良いかではなく、『会社にとって何が良いのか』を考えることが、収入につながってくるという視点です。

そして、「個人事業や経営者」というのは、会社ではなく、『自分の行っている仕事』のことを考えることが、収入につながってくるという視点になります。

似たような話に聞こえるかもしれないけれど、この両者は全く性質が違うものです。

稼ぐということの奥の深さなのかもしれません。

そして、収入を得るには、『稼ぐ』以外に『儲ける』という方法もあります。

投資をして儲けよう?

『儲ける』とは、ずばり投資のことです。

労働から切り離された、原資や仕組みを持っていることで収入になってくるものだと著者は言っていました。

ずばり、お金持ちになるための手順があるとすれば、『労働で稼ぐ。』から『貯めたお金で投資やビジネスを始める。』という流れを作ることです。

『稼ぐ』だけでも、とりあえず生活には困らないようにはなれるかもしれませんが、その上に出るためには、『儲ける』ことが必要になる。

つまりインカムを得る手段をふやす必要があるというわけです。

ここで抑えておいてもらいたいことは、『収入額がふえる事以上に、手段をふやす事が大切だ。』という事です。

投資で得られる収入なんて、最初は大した金額にはならないものです。いきなり何千万円も投資ができる人なら別ですが、おそらくほとんどの人が、数百円程度からの配当や金利の収入になることでしょう。

しかし、その数百円には、労働以外からも収入を作ったという意味が含まれており、そこが大切なポイントだと考えているわけです。

節約の大切さ

最後に『使い方』の話です。使い方とは、要は『節約』への考え方です。

お金は、貯めなければ次のステップへ進めない。投資するお金も作れない。

お金を貯めず、借りることでステップを進めようとする人もいますが、借りるという事は、貸す方が儲からなければ成立しない取引でもあります。

つまり、借りるという行為は、貸す側が『儲かる』ため行為であり、もっと正確に言うならば、貸す側の負うべきリスクを、借りる側が負うことで取引が成立しているという事になります。

『儲かりやすいのは、借りる側ではなく、貸す側だ。』という事を念頭に入れておいた方がいいようです。だからこそ、儲けるためには『貯める』という方法が必要になってくる。

本書の節約の考え方には、納得できるところがあった?

節約というと、無理や我慢というイメージがあるものです。

でも本書では、無理や我慢をすることが節約ではないと言っています。

その無理や我慢というイメージと違う節約のためのポイントとして、予算化と言う話が出てきます。この考えたかには、なるほどなと思いました。

ある予算の範囲で、贅沢しようと考えた時に、そのまま予算を使い切って贅沢するのではなく、「もうワンランク落としてもいいかな」と思ったところで、節約ができるという話がありました。

たとえば、「ランチで、『特上』でも予算の範囲内だから使ってもいいかな」と思っていたところを、「やっぱり『上』で十分満足かな」と考えた結果、予算が少し浮いたので、節約ができたという話です。

本来、『節約』を考えると、「『上』でも贅沢じゃないか」と思われてしまうのかもしれませんが、そこは無理に我慢をするのではなく、「『妥協』ができれば節約はできた」と考えてもいいという話です。

節約とは、言ってみれば、妥協の幅を大きくしていくことなんだなと思いました。節約を『妥協』という視点で考えるのは、また新たな気づきでした。

そもそも、企業経営や事業運営のような場合、仕入れなどの売上に必要な経費や、維持管理に必要な経費、広告など効果がわかりにくい経費など様々な性質の費用があって、何を削ってどこに使うのか、性質の違う費用が混在してしまってわかりにくくなっていることがあるものです。

そんな時、なんとなくでもいいけれど、一度支出を頭の中で予算化してみる。そしてその中で、妥協できるところと妥協できないところを意識して、日々の支出を考えてみるといいと言っています。

無理に我慢したり抑圧したりするのではなく、「妥協できるところで、妥協してみる。」そういう意識づけが、『使うお金』のコントロールにつながってくるのかもしれしれません。

この話は、まさにお金の使い方のキモなのかもしれないと感じた次第です。

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