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『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』 ビル・パーキンス (著)

お金や家計に関する本

人生に必要なお金ってどのくらいだろう?

人生の中で、お金について考える時間ってどのくらいありますか?

意外とお金のことを考えている時間は、結構あるのではないでしょうか?、でも「自分の人生で、どのくらいのお金が必要なのか」と本気で考えたことはあまりないのかもしれません。

私たちは、お金のことを結構考えている割に、具体的に必要な量のお金のことについては、あまり考えていないようです。

「お金は、あればあるだけ良い。」と思って、必死に働いて、いっぱい稼いでも、最後はそのお金を使い切ることなく死んでしまう。「死ぬときが一番お金持ち」などと皮肉られたりもするものです。

お金の使い方が下手?

私たちは、意外とお金の使い方が下手なようです。

「どうお金を使うのが、一番いいのか」という事がよくわかっていない。例えば、「宝くじが当たったら、何にお金を使いたいですか?」と質問されて、ほとんどの人が、心底というほどでもない、ただ欲しいだけの、憧れ的なものを買うと答えて終わってしまったりもするものです。

中には、「貯金する」と答える人もいる。でも、貯金してそのまま残して死んでしまうぐらいなら、そもそも宝くじ自体いらないのかもしれない。

お金を使うという視点での人生設計、そういう事も必要なのかもしれないということを気づかせてくれるのが、この本『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』です。

死ぬときに残るお金は、ZEROで。

お金とは、自分の労力や価値を数字で見れるようにしているものです。自分が苦労をしたり、大切な時間を割いたり、して手に入れたものを、価値あるものに変えなければ勿体ない。

つまり、死ぬときに残すお金はゼロがいい、と本書では言っています。

「相続などで、子供たちに残すことも無意味なの?」という声も聞こえてきそうですが、相続の時にお金をもらっても遅い、と筆者は言っています。相続の前に、子供たちが必要な時に、必要なだけ、お金をあげてしまった方が、自分にとっても、子供にとってもいいはずと言っています。

老後に残すお金よりも、今が大切?

お金を使うべきところは、『経験』だと筆者は言っています。人生の中で最も価値あるものは、「思い出」になるという話です。

確かに、物だと買った時はうれしいものだけど、一度手に入れてしまうと、その後もずっと買う前と同じ気持ちで、その物と向き合えるという事は、ほとんどないものです。

しかし、「思い出」だけは、いつまでたっても色あせるものではないので、美味しいものを食べたという経験、とても楽しかった旅行に行った時の体験、友達や家族、人々との関り、ボランティア活動などに参加した経験、そういった時の「思い出」だけは、いつまでも良い経験として記憶に残るものです。

ただ、お金を「思い出」に変えるためには、それが可能な時間が限られているということを忘れてはいけない。

スポーツなどに取り組む経験は、体が元気な若いうちが良い。家族との旅行は、父や母が介護状態などになっていない旅行いける体力があるうちが良い。子供との経験も、まだ小さい時が良いのか、それとも大きくなってからがいいのか、かなり短い時期でしか経験することができないことも多い。

経験という思い出を作るためには、今を大切しなければいけない。

つまりは、今お金を使う事が、「思い出」にとっては大切だという話です。

老後は、自分が思っているよりお金はかからない。

私たちは、いつの間にか、老後に向けてお金を貯めなければいけないと思わされている。

「資産形成をしなければいけない。」と、国や金融機関など様々な人たちが言っている。

でも、実際には多くの人が、「死ぬときが一番お金持ち」状態になってしまっている。せっかく自由にできる時間を割いて仕事して、つらい思いをしながら仕事して、家族と過ごす時間を犠牲にして仕事して、それでそのお金を使わずに死んでいく。

老後は、私たちが思っているほど、そんなにお金はかからないと思っても良いようです。

老後になると、体が思うように動かなくなり、自由に旅したり、スポーツしたり、好きなことをやったり、という事が出来なくなってくる。

もっと言うなら、その意欲さえもなくなってくる。

結果的に、いつもの生活に係る以上のお金がかからなくなってくる。若い時にかかっている以上のお金は必要なくなってくる。

老後に必要な一般的な生活費を確保できれば、あとは今のうちに使ってしまっても問題ないはずだと考えることは出来ます。

老後の生活費を賄うために、生涯年金という保険を利用することもありなのではないかと、本書では提案しています。公的な年金にプラスして残り必要なだけの年金額が受け取れる保険に保険料を支払ってしまえば、後のお金は今「思い出」を作るために使ってしまうのがいい。

理想的な資産の取り崩し年齢は、45歳~60歳だとこの本の著者は提案しています。おそらく多くの人が考えている資産の取り崩し年齢よりも、だいぶ若いのではなないでしょうか?

しかしこの年齢ぐらいが、一番、お金にも体にも、そして作ろうと思えば時間にも、余裕を持つことが可能な良い時期なのかもしれません。

少し極端な話にも思えましたが、それでもこの本の話には、確かに一理あるなと思いました。

お金を稼ぐ、貯める、ということだけでなく、もっと「使う」ということに目を向けてみてもいいのかもしれません。

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