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『マーケットの魔術師 エッセンシャル版–投資で勝つ23の教え』 ジャック・D・シュワッガー(著)

投資と資産形成の本

伝説の名著4冊を1冊にまとめた本。

『マーケットの魔術師』は、結構ボリュームのある本です。この本は、その『マーケットの魔術師』シリーズの4冊を1冊にまとめています。

しかも、このエッセンシャル版は、とても読みやすく、文字や行間も広めで、苦も無く読めてしまいます。

ただ、このエッセンシャル版は、あくまでも他の『マーケットの魔術師』の中身を凝縮したものでしかありません。なので、もっと詳しいところまで学びたいのであれば、そちらを読むべきだと本書の中でも言っています。

この本は、『マーケットの魔術師』シリーズを振り返るのに役立つ本として書かれている印象でした。

そして、この本は一度ではなく、何度も繰り返して読むことがこの本の本当の価値なのだと思います。

言っていることは単純に感じるけれど・・・。

この本の内容は、トレーダー向けとして書かれています。

トレーダーとは、一般的に、売ったり買ったりを頻繁に繰り返して、価格変動を追いかけて儲けようとするタイプの投資家のことをいいます。

つまりは、この本を読む人の対象は、頻繁に売買を繰り返す投資家向けの本ではあるのですが、結局、突き詰めて考えれば買って保有するだけの長期投資家であっても、大きな意味ではトレーダーと一緒なのかもしれません。

買って保有するだけの投資家だって、買う時のタイミング次第で、投資の成績は全然違うものになってくるし、売る時のタイミングを考える時には、結局短期的な視点での取引を求められることになります。

結局、何が言いたいのかと言うと、この本を『トレーダー用』と考えて敬遠するなかれということです。

この本には、長期投資家でも十二分に通用するエッセンシャルが詰まっていると感じました。

本書の中で最も重要と考えていることの一つに、「自分に適した方法を見つける事」というのがあります。

投資を教えるというと、具体的な勝つ方法、儲かるテクニックを教えるといった話になることが多いですが、その方法やテクニックをそのまま実践したとても、実際にあなたが勝てたり儲かったりするかどうかは、全く別の話です。

投資では、万人に通用する方法というのは、まずありません。

その方法やテクニックを使って儲かったのは、たまたまその儲かった人とその方法やテクニックが合致したということです。

これを、忘れてはいけないと思いました。

『この本を読んで得たものが次の1つだけだったとしても、この本を読んだ意味はあったと言える。それは、「トレーディングで成功した人は、自分に合った手法を見つけている」ということだ。』

という本書の言葉には真理を感じます。

投資で成功するために最も重要なことは、投資手法ではなく、哲学的な真理にあると考えています。そしてその真理というのは、本書を読むと感じることですが、それが高度な投資テクニックであることはほとんどありません。聞くと「そりゃ、そうだよね」と思うような、当然の話であることの方がほとんどです。

投資の真理を説明する本であるこの本は、トレーダーに限らず、投資に関わるすべての人が、読んでも十分に価値のある本だと思いました。

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