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『「年100回配当」投資術ー日本人が知らない秘密の収入源』 マーク・リクテンフェルド(著)

投資と資産形成の本

株式投資では、配当金が重要になる?

株式投資で配当金といえば、『ダウの犬投資法』やジェレミー・シーゲルの『株式投資の未来』など様々なところで、配当金があることの優位性について解説している書籍や論文などがあります。

「株式投資では、値上がり益を狙うよりも、堅実に配当金というインカムゲインを受け取って、再投資する。」そんなシンプルな戦略が、グロース株や小型株などで大きく株価が値上がりすることよりも、現実的には有利な投資になると説明しています。

そもそも、値上がりすることで大きく儲けようという考え方は、偶然によるところも多くなり、偶然を正しく認識できない私たちには、なかなかハードルの高い投資法なのかもしれません。

その点、買ったら保有しているだけという長期投資で挑める、配当狙いの株式投資戦略は、そのハードルを小さくしてくれて、誰にでも実現可能な再現性の高い投資戦略だと思っています。

配当狙いのいいところの一つとして、配当金は現金で支払われるという所があります。配当金の支払いには、帳簿上の利益と違って、現実的な利益(キャッシュ)が必要になります。そのため、配当金が支払われているということは、粉飾などでごまかした利益ではないだろうという安心感があります。

また、配当金として現金を受け取ることで、企業内に利益を内部留保するのと違い、投資家自身がその収益の有効活用法を決められるということもあります。

さらに、配当金の利回りが高いことで、株価の値下がりリスクも低いと考えられていることもあります。

そして何よりも、現金として入ってくる配当金は、私達の生活の足しにできるということがあります。

配当金はもちろん、また違ったものであっても、現金収入というのは私たちの生活にとってありがたいものです。さらに言うなら、十分な現金収入があったら、資産の評価額や貯蓄の額なんて、あまり関係ないのではないかと思っています。

配当金が年々増える、増配企業。つまりは配当貴族!

本書のポイントを一つ上げるなら、増配企業に投資をするという考え方です。

配当金などのインカム狙いの投資先には、色んなものがあります。多くの人も知っているものでは、債券があります。他にも、不動産やREIT、インフラファンド、など様々なものがあります。

そんな様々なインカム狙いの投資の中でも、株式投資ならではの特徴の一つとして、保有しているだけでインカムが増えていく『増配』の可能性というものがあります。

株式投資は、企業の利益の成長とともに、配当金が増えていくことがあります。この特徴は、債券や不動産などにはあまり見られない特徴だと思われます。

本書では、ただの高配当ではなく、年々増配を続けている企業を好んで投資をしようと言っています。

本書の中で、この増配企業への投資は、相場が好調なときだけでなく、不調な時にも力を発揮すると説明しています。それはつまり、下落相場にも強いと言えます。これが本当であれば、とても魅力のある言葉です。

そんな増配企業に注目した指数に、配当貴族という株価指数があります。

この配当貴族というのは、ただ高配当の株式を集めただけの株価指数ではなく、長年増配を続けている企業を集めた株価指数であり、この本の着眼点と似た戦略になっています。

そして、この配当貴族という株価指数。実は、NYダウやS&P500、TOPIXといった、インデックスファンドでよく使われているインデックスよりも過去の推移をみる限り、かなり良いパフォーマンスになっています。

本書は、配当金、そして増配というものに対して、魅力を感じらせる一冊です。

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