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『配当成長株投資のすすめ 金融危機後の負の複利を避ける方法』 デビッド・L・バーンセン(著)

投資と資産形成の本

高配当ではなく、配当成長⁉

配当株投資というと、配当利回りが高い高配当株投資が有名ですが、本書では高配当ではなく配当額が増える配当成長に注目した投資戦略です。

つまりは、「配当利回りが5%であることより、配当利回りが3%であってもその配当金が年々増えていく株式の方がいい」というのが、本書で提案している内容です。

『配当成長株投資』という投資戦略が、なぜ有効だと考えられるのか。そのことについて解説しています。

理論的な話が多く、多少読みにくいと感じる本かもしれませんが、『配当成長株』という戦略について、納得行く根拠を得られたという感じを受けました。

資産の引き出し方という重要な視点。

当たり前のことなのに、あまり触れられてこなかった事実。それは、”投資した資金からのお金の引き出し方”です。

『投資をしながら引き出そう』とか、『資産額から何%で引き出そう』とか、正直あまりピンとこない説明が多い中で、この本では、そのピンとこない部分を当たり前のように答えてくれました。

その答えとは、『インカム(配当金や分配金、利息など)の範囲で引き出そう!』というものです。

そもそも資産運用の目的は、資産額を増やすことではないのかもしれません。一番大切なことは、増えることよりも、収入を増やすこと。つまりは、お金を引き出すことが目的であったはずです。

しかし世間では、金融機関や政府の思惑があるのか、資産運用の話になると、インカム(収入)よりも蓄える資産額を重視した話が多い傾向にあります。そして将来、その貯えた資産を取り崩して使っていく。

でも、この資産運用の考え方は、根本から間違っているのかもしれません。

投資では、当然ですが、価格が変動するリスクを負うことになります。そのような中で、「資産価格の変動を気にせずに、平気で『予定通りに』取り崩しをできる人がどれだけいるのでしょうか?」と疑問に思います。

それに比べてると、インカム(収入)の中でお金を使うという考え方の方が、とても自然な考え方だと思います。

世間では、特に金融機関などを相手とした時に、「インカムで収入を」という話にならないのは、なぜなのか。その理由は、なんとなく察することが出来ます。ですが、私たちは、資産運用の目的を『取り崩す』という不自然な考え方から離れ、インカムで収入を得るという自然な形を目指すべきなのかもしれません。

本書で論じている”配当成長株投資”は、このインカムに注目し、さらに取り崩しをすることまでを考えた、資産運用の本来の目的を達成するための、投資戦略と言えるのかもしれません。

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