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『SWITCH(スイッチ)オートファジーで手に入れる究極の健康長寿』ジェームズ・W・クレメント、クリスティン・ロバーグ (著)

経済や科学、その他の本

老化防止の秘策、オートファジーのスイッチをONにしよう!

年を取るにつれ、体力も衰え、身体的特徴にも老化の様相がでてきます。

そして、老化することでもっとも恐ろしいことが、老化によって引き起こされる病気です。がん、糖尿病、心臓病、認知症といった生活習慣病と言われる病気たちです。しかも、これらの病気は現代の死亡原因の主な要因にもなっています。

これらの病気にかからないようにするためには、どうしたらいいのだろうか。もっと言うなら、老化を予防し、若いころの体力や体の機能を維持しながら歳を取ることはできないのだろうか。と、たくさんの科学者たちが今盛んに研究をしています。

そしてそんなか、老化防止に効果があると期待されていることの一つにオートファジーを活性化することが考えられています。

オートファジーとは、簡単に言えば細胞の修理と再生の機能です。細胞内の不要な物質や欠陥部分を、オートファジーによって健全な状態に戻す。この機能を活性化させることで、老化を予防できるのではないかと期待されているわけです。

本書によれば、そもそも人間という生き物には、このオートファジーが自然と機能するようにできているのだそうです。人類の長い歴史の中で、今のように老化と老化による病気におびえるようになったのは、人類の歴史400万年の中のたった400分の一(1万2,000年)だけなのだそうです。

文明が発達した、もっと言えば農耕が行われ穀物中心の食事になった時代である人類の歴史400分の一の時代(1万2,000年)より昔の人類とその祖先が、がんや糖尿病に悩まされていたという様子はなかったようだと言っています。

なぜ、私たちは老化と老化による病気におびえなければならなくなったのか。さらに言うなら、なぜ私たち現代の人類には、オートファジーの効果がうまく機能しなくなってしまったのか。

その理由には、私たちの食事と生活習慣の変化に関係があるのかもしれない、というのが本書の内容です。

「全世界の死亡者の死因の2割は、単なる不健康な食事である」

衝撃的な話です。「全世界の死亡者の死因の2割は、単なる不健康な食事である」という話が、医学雑誌のランセットに2019年に掲載されたのだそうです。

不健康な生活習慣の代表と言えば、『喫煙』がありまが、この喫煙が原因で亡くなっている人の割合は、約1割だと言われています。つまり、先ほどの話が本当だとすると、不健康な食事による死亡者は、その喫煙による死亡者よりもずっと多くて、約倍ぐらいの人が食事が原因で亡くなっているという事になります。

文明が発達し、自分たちで農耕や畜産などで食物を作れるようになってきた私たちですが、その反面では、過剰な量の食事をするようになり、食事の内容も大きく変わってしまった。

オートファジーが活発に機能していた時代の食事習慣とは大きく変わり、現代の食事習慣は、オートファジーの機能を衰えさせてしまっていると本書では言っています。

農耕がはじまり現代の食習慣になってから1万2,000年。人類の体が新たな食習慣に対応できるよう進化するためには、短すぎると言っています。「人間のゲノムは、太古の時代から平均して約100万年当たりでわずか0.5%しか変異していない。」と本書にありました。

つまり、オートファジーを活性化させて、老化を予防し、肥満とならないような健康体の体を維持するためには、まだ文明が発達していなかった、1万2,000年より昔の食習慣を調べることでヒントが得られるのではないかというわけです。

私たちの健康のポイントは、食習慣にあるという事でした。

オートファジーを活性化させるために。

オートファジーを活性化させるためには、私たちの過剰な食事の量を減らさなければならないと言っています。

今では、食事は朝昼晩の3回必要だというのが常識になっていますが、オートファジーの活性化という視点からは、そもそもこの考え方が間違っていたようです。

農耕が始まる前の食事は、食事をとれない時間も相当あったと考えられます。実はオートファジーは、この食事が出来ない時に、細胞をリサイクルさせるスイッチが入ると考えられています。そのため、食事と次の食事までの間に時間を取ることがおすすめだと言っています。

目安としては16時間、夕食の後、朝食を抜き、ちょっと遅めの昼食をとるぐらいが良いそうです。その他、断食することなども有効だそうです。

食事を減らすことで長寿になるという話は、オートファジーの話以外でもサーチュイン遺伝子や腸内環境の話などでも、健康に良い習慣としてよく出てくる話なので、健康にとってかなり期待値が高い生活習慣だと思われます。

その他にも、脂質の取り方、低GIの食事など、オートファジーを活性化させるためのポイントについていろいろ紹介されていました。

老化を予防したい。老化による病気から体を守りたい。そしてオートファジーという体の機能について知りたいという人にとって、本書はとても参考になる本だと思います。

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