投資や資産運用に本当に必要なこと。
投資や資産運用に必要なことを2つだけ上げるとするならば、『お金』と『やる気』だと考えます。
投資や資産運用を始めようと考えたときに、『知識』から学ぼうとする人がいる。
投資や資産運用の知識を学ぼうとすると、「複利」、「長期投資」、「分散投資」といったことから学ぶことが多いようです。
でも、実際には、投資に向かう『メンタル』が作れていなければ、その中の「複利」と「長期投資」は実践できません。
投資や資産運用を始めるにあたって、実際に投資や資産運用をしながら自分たちがどんなことを心で感じるのかを知ることはとても大切なことです。
運用が上手くいっている時、私たちはどんなことを考え、どういう気持ちになっているのか?
また、運用が上手くいかない時、私たちはどんな不安を抱え、その不安にどう向き合えばいいのか?
それを正しく理解しているかどうかで運用のパフォーマンスは全く違ってきます。
しかしそんな投資と心の関係を、知っているではなく本当の意味で理解するためには、『経験』がなければできないこともまた事実です。
だからこそ、投資の良いところも悪いところも、すでに経験をしてきた経験者から聞く話というのは、『疑似体験』という意味で非常に役に立ちます。
経験者から、「そういうこともあるのか」という話を先に聞いていると、実際に同じ場面に遭遇した時に、「あの時言っていた話はこのことだったか」と考えられるようになり、その経験は生きた知恵にかわります。
メンタル面の話は、実は話を聞いただけではしっくりこないことがほとんどです。でも、知識として知っていたことを実際に経験した時、その話は、ぐっと腑に落ちることになります。
「長期投資をしよう、複利で運用をしよう、なぜなら過去のデータではこのようなリターンが得られているのだから」、だけでは知識として足りないと思うのは、メンタル面での話がないからです。
「過去のデータをさかのぼってみれば、長期で運用すれば必ずプラスになるはず。」、と言われても実際に自分のお金が元本を下回っているのを見て、「大丈夫、問題ない」と割り切れる人はあまりいないことでしょう。
投資や資産運用をしていれば、必ず成績がマイナスになるときがある。
数十年の長期間の投資をしてれば、運用資産が半分以下になることも数回は経験することと思われます。
そんな時に、『やる気』やモチベーションを保ち続けるためには、何が必要なのか?
また、どんな運用の仕方だと、どんな時でもモチベーションを保ちやすいのか?
そこを考えながら投資や運用をすることが、とても大切です。
投資の損失は、精神面が原因になることが多い。
投資や資産運用で失敗する時というのは、精神面が大きく影響しています。
「もっと儲けたい」、「損したくない」、「人より遅れたくない」、「損を取り返したい」
投資や資産運用をしていると、こういう欲望や不安、焦りといった気持ちが出てくることがあります。
そして、こういう気持ちで投資や運用をすると、最終的に失敗することがとても多い。
経験者の人は、「それ、わかる!」と思ったことでしょう。
「運用がかなり上手くいっていて、もっと儲けようと投資額を増やした矢先に、相場が下落した。」
「あの人が投資して儲かっているから、自分もやらなければと思って始めてみたら、対して儲からないどころか損するはめになった。」
「やらなければ損すると有識者が言っていたので、焦って始めたら、結果損した。」
投資を続けている人なら、必ず一度や二度経験のある話です。
しかし、経験のない人がこのような理由で失敗をすると、「もう投資はしたくない」という思考停止になってしまうことが多いです。
百戦錬磨の投資家というのは、数々の失敗を経験してきて、それを糧にして資産を築いてきている。
投資や資産運用というのは、失敗してなんぼ。いつかは必ず失敗を経験することになり、避けることはできません。
だから、長いこと投資を続けられている人というのは、『失敗すること前提』で投資行動を考えていることが多い。
失敗しないという方法はない。だから失敗しても大丈夫なようにコントロールしながらリスクをとる方法を知っている、それが投資初心者と百戦錬磨の投資家との違いです。
投資や資産運用のメンタル面というのは、この『失敗をコントロールする』ということに関係があると考えています。
「長期投資をすれば儲かる」、「分散投資をすればリスクは低くなる」とか言うのとは、まったく次元の違う話だと思っています。
このぐらいの損失はあり得るものと想定し、投資金額をコントロールする。もし大きな損失を出したら、その時はどういう対応をとるのがいいか。
そういうノウハウこそが、本来学ばなければならないことだと思うのです。
そしてこれは、経験者でなければアドバイスできないことであることもまた事実です。
知識や理論だけのファイナンシャルプランナーやアドバイザーには決してできないことです。
だって経験がないのだから。不安や焦りを感じている人に、アドバイスなんてできるわけがありません。
経験から言っても、本当に不安や焦りを感じている時というのは、多少理論から外れていることだとしても、とにかく自分が安心できる方法を優先させる方のが有効だろうと思っています。
「投資家でなければ、投資のアドバイスはできない。」これは、本当の話だと思っています。