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書籍紹介:【ビッグミステイク】投資で「失敗」は避けられない?バフェットも大損した「認知バイアス」の正体とリスク管理

2026 5/12
読書日記 投資と資産形成の本
2024年1月30日2026年5月12日

『ビッグミステイク レジェンド投資家の大失敗に学ぶ』 マイケル・バトニック(著)

目次

「天才投資家は失敗しない」という巨大な誤解

「ウォーレン・バフェットのような天才は、百発百中で勝ち続けている」

「失敗するのは、才能がない投資家だけだ」

もしあなたがそう思っているなら、本書『ビッグミステイク』は、その幻想を木っ端微塵に打ち砕いてくれるでしょう。

相場の世界において、「失敗しないこと」は不可能です。

本書が暴き出す真実は、「天才投資家とそうでない投資家の差は、失敗をしないことではなく、失敗をいかにコントロールできるかにある」ということです。

偉大な投資家ほど、この世界が「不確実」であることを深く理解し、常に「自分の判断は間違えるかもしれない」という前提で行動しています。

彼らは、失敗を避けているのではなく、失敗と上手に付き合っているのです。

リンク

なぜ私たちは必ず間違えるのか?「3%のリスク」と脳のバグ

本書は、単なる著名人の失敗事例集ではありません。「なぜ人間は投資で失敗するようにできているのか?」を、行動経済学や脳科学の視点から解き明かします。

ここで、ある金融商品の説明を例に挙げてみましょう。

「この商品は短期的にはリスクがありますが、過去の統計上、20年後に元本割れした確率はわずか3%しかありません」

これを聞いて、「たった3%なら、自分は大丈夫だろう(損はしないだろう)」と思いませんでしたか?

ここに認知バイアス(脳の思い込み)の罠があります。

私たちの脳は、都合の悪い「3%」という数字を過小評価するようにできています。しかし、確率は低くても現実にその3%は起こります。運悪くその3%に入ってしまった当人にとっては、確率論など関係なく「資産が減った」という事実しか残りません。

私たちの脳がこの認知バイアスを持っている限り、どれだけ勉強しても、いつか必ず判断を誤り、失敗する局面(損をする時)がやってきます。

だからこそ、「絶対に損しない方法」を探すのは無意味です。

重要なのは、「その避けられない失敗が起きた時に、どう生き残るか」を準備しておくことなのです。

著者自身の「情けない失敗」が教えてくれる勇気

本書のユニークな点は、バフェットやソロスといった伝説級の投資家に並んで、最後の章に著者自身(マイケル・バトニック)の失敗談が収録されていることです。

伝説の投資家の失敗は規模が大きすぎて「別世界の出来事」に感じるかもしれません。しかし、著者の失敗は違います。

  • 自分の能力を過信して、市場平均に勝とうとした。
  • 損切りができずに、傷口を広げてしまった。

これらは、私たち個人投資家が日常的に犯してしまうミスそのものです。 著者の等身大の失敗談を読むことで、「失敗の本質は、天才も凡人も変わらない」という事実に気づかされます。

そして、「失敗してもいいんだ」「重要なのはそこから退場しないことなんだ」という、投資を続ける勇気が湧いてくるはずです。

本書は、「他人の失敗から学んで、失敗を回避しよう」という浅いハウツー本ではありません。 「投資には必ず失敗が伴う」と腹を括り、その失敗をコントロールする覚悟を持たせてくれる、投資家としての精神安定剤のような一冊です。

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この記事を書いた人

田仲 幹生のアバター 田仲 幹生 1級FP技能士

生命保険会社、税理士事務所での勤務を経てファイナンシャルアドバイザーとして独立。数多くの相談者に向き合ってきた経験と、自身が実践する資産運用のノウハウを活かした個別相談やマネー講座が好評です。

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