PR

『マルチタイムフレームを使ったテクニカルトレードートレンド一致が勝率と利益の向上をもたらす』  ブライアン・シャノン(著)

投資と資産形成の本

規律に従ってトレードする。

テクニカル分析と言っても様々なものがあります。しかしその分析やトレードのテクニックよりも、本書の中では、「規律に従ってトレードする」ということが最も大切であると言っています。

投資をするのなら、「私たちは、自分が思っているほど合理的な判断ができていない」ということを知らなければなりません。私たち人が判断していることのほとんどが、「感情」という感覚から来ている。このことは、投資家やトレーダーにとって必須の知識だと言えます。

そして投資で犯す失敗のほとんどは、この「感情的な取引」によって引き起こされています。だからこそ、この感情的な取引によって失敗することを減らすために、『規律に従う』という事が大切になってくるわけです。

この本では、トレードのテクニックのことを説明してはいますが、まず大前提として、この『規律に従う』ということの大切さを、序盤に強調しています。

この規律を大切にするという考え方は、デイトレーダーなどの短期売買に限らず、長期保有の投資家たちにとっても、大切な話しだと感じました。

複数の時間軸で考えて取引をする。

本書の主な内容にもなっている、マルチタイムフレーム。複数の時間軸を見ながら、取引を考えるという手法が本書の目的です。

長期的な視点でトレンドを把握し、そのトレンドに従った流れの中で、中期的な視点から損切や利確など決済のポイントを考える。そして、短期的な視点で発注のタイミングを考える。といった取引の流れになっています。

基本的には、長期的なトレンドに従う。トレンドは急に反転する可能性よりも、継続する可能性の方が高い。それはバブルと言われる期間があることからも、多くの投資家が感じていることだと思います。

また、トレンドの継続性については、学術的にも「モメンタム効果」と呼ばれて、株式市場にはファンダメンタル的な理由と関係なく、「値が上がるものは上がり、下がるものは下がる」という傾向が見られていることも明らかとなっています。

長期的な投資家の多くが、ファンダメンタルを重要視する傾向があり、景気や企業動向などから、株価を予想する傾向が見られます。

今株式市場で動いている株価を無視し、自分の予測を重視してトレードを行ってしまう。そして、思った方向と違う方向に動くと、「実体経済と違う」と考えて、さらに逆張り的な賭け方をしてしまう。そしてどんどん損失を膨らましていく。

おそらくこの本に書かれていることは、長期投資家ではなく、比較的短期的な取引を好んでいるトレーダー向けのものなのかもしれません。

しかし、本質的には、トレンドに従うことの大切さや『規律を守る』などの、短期投資家だけでなく長期保有の投資家にとっても、とても大切な投資家の考え方が書かれているのかもしれないと感じました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました