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『開かれたパンドラの箱 老化・寿命研究の最前線』今井眞一郎 (著)

経済や科学、その他の本

老化することが当たり前ではなくなる時代へ?

「昨日のマラソン大会どうだった?、自己ベスト更新した?」

「さすがに若いころに走った自己ベストは厳しいけど、まぁ納得できる時間でのゴールはできたかな?。今年90歳になるけれど、来年は今回より早く42キロを走れるようになりたいな。」

なんて話が、近所でも耳にするような時代がくるかもしれない?

今まで、人が老化することは当たり前だと思っていました。

老化して、筋肉が衰え、関節も痛くなり、血圧や血糖値なども高くなり、がんや糖尿病、認知症といった病気にかかりやすくなり、病気を患いながら死を迎える。

そんな老後のイメージを持っている人も少なくないことでしょう。

しかし、「そんな老化のイメージが時代遅れになる時代が、もうすぐそこまで来ている。」のかもしれない。

それが、本書の主な内容にもなっている、『老化・寿命研究の最前線』です。

そしてその『老化・寿命研究の最前線』では、さっきの話のように『老化』のイメージががらっと変わる可能性がある研究結果がすでに得られているという話です。

ただの夢物語ではない、実現性の高い話として、すでに多くの投資家たちもこの老化研究に注目していて、たくさんの研究資金が集まるようになってきているということです。

『老化しない世界がくる?』、一体これからどんな世界になっていくのだろう。

ただ『老化しない』と聞いて、まるで漫画やSFのように、肌はぷりっとして、髪もふさふさ、筋肉もがっちりとした20代の姿を100歳になっても保てるというのとは、ちょっと違うのかなと思います。

そういう『老化しない』をイメージした人には残念なことですが、そこまでの期待は現実的ではないのかもしれません。

でも、高齢になっても活動量が減らない。老化によっておこるがんや糖尿病などの疾患にかかりにくくなる。免疫力も高く、ウイルスや細菌などによる病気にもかかりにくい。といった効果が見込めそうだという話です。

つまりは、「『ピンピンコロリ』が普通になるかもしれない。」というわけです。

老化の仕組みの解明。

今まで『老化』というものが、あまりにも当たり前のことすぎて、老化する仕組みがどうなっているとか考えたこともなかったのですが。本書を読んで、やはり世の中の先を見ている人は、結構いるもんだなと改めて思いました。

『なぜ老化するのか』そこには、いろいろと原因があったという発見が、老化の研究者たちの手によって次々と見つかっているようです。まさに目からウロコの話です。

なぜ老化するのか、その科学的解明に、興味を持った人は、読む価値がある本だと思いました。

また、投資家としても、『老化がなくなる』という話は、自分の体のことだけではなく、大きく世の中が変わる話でもあるので、知っていて損のない話なのではないでしょうか。

高齢になっても若い人と活動量が変わらなくなれば、100歳になっても仕事をするのが当たり前になっているかもしれない。そうなれば今とは全く違う労働環境になっていくことが想像できます。

それと、高齢になっても日常の運動になんの問題もないとなれば、死ぬ直前まで旅行などで余暇を楽しむ人が増え、消費活動も活発になるかもしれない。

逆に、公的年金の在り方に問題が出てくることもあるでしょう。他にも、病気にかかりにくくなるということは、医療や介護の世界も大きく変わってくる可能性も高いと思われます。

そうやって考えていくと、『老化しなくなる、もしくは老化が遅れる世界』というのが今後来ると考えた場合、投資家として今後どのような投資をしていくべきなのだろうか、というところまで想像が働きます。

個人的には、とても面白い話だと感じています。老化の仕組みの話も面白いですが、老化しない世界が来たらというのも、また好奇心を刺激する話です。

老化の仕組みについての話には、今回ほとんど触れていませんが、本を読んだだけの俄かの知識よりも、直接本書を読んだ方がいいのかもしれません。個人的には、非常に興味を惹かれる話がたくさんありました。

本書の著者でもある今井眞一郎教授は、この老化・長寿研究で世界的にも有名な人で、他の人が書いている老化や長寿関連の本でもたびたび登場してきます。現在はワシントン大学で教授をしているそうです。

今井教授といえば、やはりNMNになるのでしょうか?

このNMNとはどのような物質なのか、またこのNMNが老化とどのようにかかわっているのか、ポイントは細胞の老化との関係にあるようですが、詳しくは本書を読んでみてもらいたいところです。

『老化しない、もしくは老化が遅くなる世界』、ぜひとも見てみたいものです。

老化・長寿研究の今後が楽しみです。

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