『おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密』 高井浩章(著)

お金や家計に関する本

子供とお金の話をする物語。

お金って、とても身近なものなのに、その正体についてはあまり良くわかっていません。それは子供に限らず大人でもそうです。

よくわかっていないものを扱っていれば、そりゃ苦労することもあるものです。

この本の話は、男女2人の中学生が、クラブ活動を通してお金についての授業をうけながら、お金の正体を考えていく物語です。

本書は元々、小学生を読者の対象と考えて書いたためなのか、とても読みやすく、また面白く読める本でした。

この本で登場してくるお金の勉強をする2人は、お金持ちの家の女の子といわゆる普通の家の男の子、というお金に関して対照的な家庭で暮らす2人です。

お金持ちの家の女の子の家業は、パチンコや高利貸し、大家業という仕事でした。しかしその女の子は、そんな家業に対して、その社会的な存在意義に疑問を持っていました。

しかしその女の子は、お金に対してマイナスな感情を持ちながらも、クラブ活動を通してお金のことを学ぶうちに、徐々に家の仕事と正面から向き合っていくようになります。

この本は、その姿を、第三者である普通の男の子の目線から描くことで、より多くの人がわかりやすい内容になっているように感じました。

お金の正体とは、なんなのか?

クラブ活動の先生が、毎回さまざまな課題を出してきて、それについて考えることで、少しずつお金の正体に気づく。

最終課題の『お金を手に入れる方法は、・かせぐ・ぬすむ・もらう・かりる・ふやす、とあともう一つは何か』という問題の答えを探すことで、お金の正体に気づけるような内容になっています。

この物語の良さは、「考えさせる」ということにあるような気がしています。

「お金の正体とは、〇〇です。」と一方的に答えを言ってしまえば、それは対して難しい話ではなく、「なんだ、そうなのか!」と思って終わりです。

しかし、いろんなことを考えていく中で導き出された答えというのは、そんなあっさりしたものではなくなり、もっと深い意味を感じるようになるものです。

シンプルな答えの中には、実は、シンプルとは言えないとても大きな意味が含まれていることが多い。天才物理学者アインシュタインの、「ものごとはできるかぎりシンプルにすべきだ。しかし、シンプルすぎてもいけない。」という言葉には、とても深いものを感じます。

お金というのは、案外哲学的なところがあるものです。

そのため、与えらえる答えよりも、「考える」ということの方がとても大切になってきます。

そんなお金の正体とはなにか。結論を言ってしまうと、『信用』という言葉につながってきます。

ずばりシンプルな答えです。でもこのシンプルなものの意味を今一度「考えてみる」といいのかもしれません。実際に考えてみることで、自分の中でどんな風にお金の世界が広がっていくのか、それを実際に感じることで、よりこの『信用』という意味の深さがわかってくる。

答えはシンプルですが、中身がとても濃い。お金の世界の物語です。

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